要点
- 4人家族の場合、2026年に申請可能な最も安いプログラムはサントメ・プリンシペ(約$103,000)とナウル(約$116,000)で、バヌアツがこれに続きます。
- カリブ5か国のプログラムは、4人家族の総額でおよそ$258,000〜$278,000という狭い価格帯に収まっています。もはや価格では差がつかず、差を生むのは渡航先へのアクセスです。
- 安いパスポートで得られる渡航の自由は限られます。サントメ、ナウル、バヌアツでは、シェンゲン圏や英国へのビザなし渡航はできません。
- 表示価格の安さで目を引くプログラムの中には、現実的な選択肢ではないものもあります。北マケドニアはほぼ休止状態にあり、ヨルダンは2025年に投資ルートを変更しました。
- 当社の費用シミュレーターでは、以下のすべての数値をご自身のご家族構成で再計算できます。
投資による市民権の価格は三層構造です。適格投資は、法律が求める寄付、不動産、またはファンドへの出資です。政府手数料(デューデリジェンス、審査、証明書、パスポート)は1人ごとに課され、5%〜15%上乗せされます。さらに、認可エージェントや弁護士の専門家報酬が加わり、これは事業者によって異なります。当社の報酬は各プログラムのページで公開しています。
このランキングは最初の二層を対象としています。これらは政府が定めるもので、公正に比較できるからです。すべての数値は、当社の費用シミュレーターで使用している各プログラムの公表手数料表に基づき、2026年9月30日に確認したもので、主申請者、配偶者、16歳未満の子ども2人を想定しています。
2026年ランキング:4人家族の政府関連費用の総額
| 順位 | プログラム | 最安ルート | 4人家族・総額 | 単身申請者 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | サントメ・プリンシペ | National Transformation Fund | 約$103,000 | 約$96,000 |
| 2 | ナウル | Treasury Fund(期間限定料金) | 約$116,000 | 約$103,000 |
| 3 | バヌアツ | CIIP(一部返還あり)/ DSP | 約$161,000〜+法定手数料 | 約$136,000〜 |
| 4 | セントルシア | National Economic Fund | 約$258,000 | 約$250,000 |
| 5 | グレナダ | National Transformation Fund | 約$258,000 | 約$249,000 |
| 6 | エジプト | 国庫への寄付 | $260,000〜+デューデリジェンス費用 | $260,000〜 |
| 7 | アンティグア・バーブーダ | National Development Fund | 約$265,000 | 約$249,000 |
| 8 | ドミニカ国 | Economic Diversification Fund | 約$267,000 | 約$210,000 |
| 9 | セントクリストファー・ネービス | Sustainable Island State Contribution | 約$278,000 | 約$264,000 |
| 10 | トルコ | 不動産(回収可能) | 約$419,000(購入諸費用込み) | 約$417,000 |
ドミニカ国の順位に注目してください。単身申請者であれば、カリブ諸国で群を抜いて安いパスポートですが、4人家族では8位に下がります。家族の場合はファンドへの拠出金が$250,000に上がる一方、グレナダ、アンティグア、セントルシアでは4人家族でも単身申請者と同じ価格だからです。家族構成によってランキングは変わります。だからこそ当社は、申請に誰が含まれるのかを伺わずに「最も安い」プログラムを提示することはありません。
$150,000未満:最も費用の安い3つのパスポート
サントメ・プリンシペ:申請可能なプログラムで最安
2025年9月に開始されたサントメのプログラムは、単身申請者で$90,000、最大4人の家族で$95,000です。これに帯同家族1人追加ごとに$5,000、申請・デューデリジェンス手数料$5,000が加わります。審査期間はこれまで2〜5か月です。パスポートでビザなし渡航できるのは約60の国・地域で、シェンゲン圏や英国は含まれません。また米国は2025年10月、同国をビザ保証金対象国リストに追加しました。多くの購入者にとって、その本当の価値は渡航よりも、ポルトガル語圏コミュニティへの参加と、中立的な第二の国籍にあります。
ナウル:低価格と気候変動対策という使命
ナウルの拠出金は、2026年12月31日までに提出された申請に適用される期間限定料金で、主申請者$90,000です。その後は$115,000に戻ります。16歳以上の帯同家族は1人につき$2,000、兄弟姉妹は$15,000が加算され、申請手数料、デューデリジェンス費用、銀行手数料、パスポート発行手数料が1人ごとにかかります。パスポートでビザなし渡航できるのは約86の国・地域で、シェンゲン圏や英国へのビザなし渡航はできません。ロシア、北朝鮮、イランの国籍の方は対象外です。
バヌアツ:最速だが、もはやシェンゲン圏のパスポートではない
バヌアツには二つのルートがあります。Development Support Programは純粋な寄付で、単身申請者は$130,000から、4人家族は$180,000からです。再開されたCapital Investment Immigration Planは、単身者では初期費用がやや高くなりますが、最大4人の家族では約$155,000〜$165,000で、そのうち約$50,000が4〜5年後に返還されます。バヌアツはシェンゲン圏へのビザなし渡航が2025年2月に停止され、英国へのビザなし渡航も2023年に失っているため、現在はヨーロッパへの渡航ではなく、スピードと中立性を目的に選ばれています。
価格と価値。最も安い3つのパスポートは、いずれもシェンゲン圏や英国へのビザなし渡航ができません。ヨーロッパへの渡航がセカンドパスポートを求める理由であれば、ランキングは4位から始まると考えてください。
カリブ諸国の価格帯:$250,000〜$280,000
2024年に地域共通の下限価格が導入されて以来、カリブ5か国のプログラムは、家族での費用がほぼ横並びで、総額は約$258,000〜$278,000です。現在、どれを選ぶかは、価格には表れない次の三点で決まります。
- 渡航。グレナダ、アンティグア、セントクリストファーは英国へのビザなし渡航を維持していますが、ドミニカ国とセントルシアは現在、英国ビザが必要です。アンティグアとドミニカ国は、2026年の米国のビザ制限の対象です。
- スピード。セントクリストファーは平均約5か月、セントルシアは約18か月です。
- 家族に関するルール。子ども、親、兄弟姉妹の年齢制限はプログラムごとに異なります。成人した子どもや親がいるご家族では、プログラムによって費用が大きく変わることがあります。
5つのプログラムはカリブ5か国のパスポート徹底比較で詳しく比較し、2026年のルール変更は2026年のカリブ諸国の市民権で解説しています。
最も安いパスポートで実際に得られるもの
価格は、そのパスポートで何ができるかと並べてこそ意味を持ちます。下の表では、このランキングのプログラムを、当社のお客様の多くが重視する渡航先について比較しています。
| パスポート | ビザなし渡航先(概数) | シェンゲン圏 | 英国 | 米国訪問者ビザ |
|---|---|---|---|---|
| サントメ・プリンシペ | 約60 | ビザ必要 | ビザ必要 | ビザ保証金の可能性あり |
| ナウル | 約86 | ビザ必要 | 不明確。渡航前に要確認 | ビザ必要 |
| バヌアツ | 約88 | 2025年からビザ必要 | 2023年からビザ必要 | ビザ保証金の可能性あり |
| トルコ | 約113 | ビザ必要 | ビザ必要 | ビザ必要。3年間の居住後にE-2条約 |
| ドミニカ国 | 約145 | ビザなし | ビザ必要 | 3か月・1回限りの入国 |
| グレナダ | 約147 | ビザなし | ビザなし | 10年ビザ、E-2条約 |
| セントルシア | 約144 | ビザなし | 2026年からビザ必要 | 10年ビザ |
| アンティグア・バーブーダ | 約154 | ビザなし | ビザなし | 3か月・1回限りの入国 |
| セントクリストファー・ネービス | 約157 | ビザなし | ビザなし | 10年ビザ |
二つの表を併せて読むと、一つのパターンが見えてきます。$100,000から$280,000までの範囲では、価格が一段上がるごとに、渡航の自由も明確に一段上がるのです。カリブ諸国のプログラム同士では差はより小さく、より具体的です。渡航先の総数よりも、英国と米国の欄のほうが重要です。
最も安い選択肢が「戻ってくるお金」である場合
寄付は一度支払えば戻りません。不動産、債券、預金のルートは初期費用こそ高いものの、保有期間後に回収できるため、実質的なコストは手数料、取引費用、そして失われる運用益です。
| プログラム | 回収可能なルート | 保有期間 | 戻ってこない費用 |
|---|---|---|---|
| セントルシア | 政府債券、$300,000 | 5年 | 管理手数料$50,000、政府手数料、失われる利息 |
| トルコ | 不動産、$400,000 | 3年 | 約4%の権利証書税、鑑定費用、弁護士費用、許可関連費用 |
| ドミニカ国 | 認定不動産、$200,000 | 3年(CBI購入者に転売する場合は5年) | $75,000からの政府手数料、デューデリジェンス費用、取引費用 |
| エジプト | 中央銀行預金、$500,000 | 3年 | 政府手数料$10,000。預金はエジプト・ポンドで返済 |
| バヌアツ | CIIPユニット(支出の一部) | 約4–5年 | 約$100,000以上の返還なし部分 |
不動産ルートで購入価格の全額が戻ることはまれです。認定開発物件はCBI価格を下回って転売されることが多く、売却できるかどうかは買い手が見つかるかにかかっています。当社では、推奨する前に各ルートを寄付と比較してシミュレーションしています。
ランキングから除外したプログラムとその理由
2025年改革後のヨルダン
ヨルダンは2025年7月に投資ルートを改革し、従来の預金型の選択肢を、約JOD 350,000(約$490,000)からのプロジェクト型投資に置き換え、承認件数を年間500件に制限しました。米国のE-2条約に関心のある創業者向けのニッチな選択肢であり(E-2の利用には事前にヨルダンでの3年間の居住が必要)、低コストのパスポートではありません。
北マケドニア:休止状態のルート
北マケドニアの経済市民権ルートは、今も多くのランキングに€200,000で掲載されていますが、2023–2024年の付与はごくわずかで、ほぼ休止状態にあります。さらに欧州連合は、加盟交渉の一環としてその廃止を求めています。このルートを前提に計画を立てることはお勧めしません。
パラグアイ:まず居住権、パスポートは後から
パラグアイは投資による市民権取得ではありません。投資によって得られるのは永住権で、市民権は真正な結びつきを伴う3年間の居住を経て取得します。投資ルートで約$70,000と、すべての中で最も低い参入価格ですが、時間のかかる居住ベースの道のりです。パラグアイをご覧ください。
シエラレオネ
シエラレオネは2026年、$95,000からの単身ルートと家族ルートを発表しました。施行規則が整備されるまでは大統領の裁量で運用されています。当社でも注視していますが、ランキングに加えるにはまだ新しすぎます。
どのランキングにも表れない費用
- 成人した子どもと親。ほとんどのプログラムでは、4人を超える帯同家族1人につき$10,000〜$50,000の追加料金がかかり、成人のデューデリジェンス費用も高くなります。
- 強化デューデリジェンス。一部の国の申請者や、資産構成が複雑な申請者には追加の審査費用がかかります。
- 更新と生体認証。セントクリストファーでは現在、生体認証登録が必要です。いくつかのプログラムでは、初回発行のパスポートの有効期間が5年のみです。
- 滞在要件。将来カリブ諸国で30日間の滞在が求められれば、5年以内に渡航費用が発生します。
- 為替と送金の費用。拠出金は確認済みの口座から米ドルで支払います。6桁の送金では、両替手数料や銀行手数料もかさみます。
- 専門家報酬。認可エージェントの報酬と弁護士費用は避けられません。段階ごとに書面で提示を求めてください。当社の報酬は各プログラムのページに掲載しています。
安全な支払い:拠出金の支払い方法
価格が安くても、お金が誤った相手に渡れば意味がありません。正規のプログラムでは、適格拠出金は政府が原則承認を出した後にのみ支払われ、政府口座、認定開発業者、または規制下のエスクロー業者に直接送金されます。個人やエージェントの個人口座に送ることは決してありません。デューデリジェンス費用と審査手数料は申請時に、通常は認可エージェントを通じて支払い、公式の領収書が発行されます。
何かを支払う前に、ご自身のエージェントが、プログラムの公表する認可エージェントの公式リストに載っていることを確認してください(ほとんどの市民権ユニットがリストを公開しています)。また、政府の支払指示を書面で求めてください。公表された最低額を下回る割引の提案や、承認前の拠出金支払いの要求は、危険信号です。2024年以降、カリブ諸国のプログラムでは、地域の最低額を下回る割引は違法となっています。
価格だけで決まらない場合の選び方
- まず適格性から。国籍による制限、過去の却下歴、資金の出所は、価格よりも先に候補を絞り込みます。
- パスポートの役割を明確にする。シェンゲン圏・英国への渡航、米国ビザへの道、銀行取引のための中立的な国籍、家族のプランB。目的によって適したプログラムは異なります。
- 実際のご家族構成で費用を算出する。申請に含める予定の全員で費用シミュレーターを試してください。
- 3〜5年間寝かせておける資金があれば、回収可能なルートを比較する。
- スピードと安定性を比較検討する。EUからの圧力を受けているプログラムやルール変更を控えたプログラムは、安いのには理由があるかもしれません。
最も安いセカンドパスポート:率直な回答
2026年に最も安い投資市民権は?
サントメ・プリンシペです。単身申請者は$90,000から、最大4人の家族は$95,000からで、これに手数料が加わります。4人家族の総額は約$103,000です。次いでナウルが、期間限定料金で同じ家族構成の場合約$116,000です。
最も安いカリブ諸国の市民権は?
単身申請者ならドミニカ国で、総額約$210,000です。4人家族ならグレナダとセントルシアが最も安く総額約$258,000で、アンティグア・バーブーダが僅差で続きます。
ヨーロッパへビザなしで渡航できる安いセカンドパスポートは?
最も安い3つのプログラム、サントメ、ナウル、バヌアツは、いずれもシェンゲン圏へのビザなし渡航ができません。シェンゲン圏にアクセスできる最も安いパスポートはカリブ諸国のプログラムで、単身申請者で約$210,000からです。
投資による市民権取得に隠れた費用はありますか?
あります。1人ごとのデューデリジェンス費用、審査手数料、パスポート発行手数料、追加の帯同家族に対する加算料金、場合によっては強化デューデリジェンス、生体認証費用、そして専門家報酬です。通常、表示されている拠出金に5%〜15%が上乗せされます。
お金は戻ってきますか?
回収可能なルートに限られます。たとえばセントルシアの政府債券、トルコやカリブ諸国の不動産、エジプトの預金などで、それも3〜7年の保有期間を経た後です。手数料と取引費用は返還されません。
出典
著者について
Valentin Niculae — The Discreet Investor 創業者
Valentin NiculaeはThe Discreet Investorの創業者です。欧州、中東、CIS諸国のご家族、創業者、投資家の方々に、第二の市民権、居住許可、法人設立、海外銀行口座について助言しています。本ガイドは、クライアントから実際に寄せられたご質問をもとに執筆しています。LinkedIn
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